民事再生規則で規定されている「財産の処分価額」はどんな価額なのか?-民事再生手続3

熱海、伊東、湯河原、函南、三島、伊豆半島、沼津、駿東、箱根、湘南、横浜市、川崎市、東京都内そのほか広域に出張鑑定し、評価書作成交付いたします。

みなさん、こんにちは。熱海駅前の河口不動産鑑定事務所の不動産鑑定士の河口健です。

民事再生規則で規定されている「財産の処分価額」はどのような価額なのでしょうか?

国土交通省の定める不動産鑑定評価基準では、次の①の場合と②の場合には、原則として「特定価格」という種類の価格を求めなければならないとされています。

①民事再生法に基づく鑑定評価目的の下で、早期売却を前提とした価格を求める場合

②会社更生法又は民事再生法に基づく鑑定評価目的の下で、事業の継続を前提 とした価格を求める場合

そして、「特定価格」とは、「市場性を有する不動産について、法令等の社会的要請を背景とする鑑定評価目的の下で、正常価格の前提となる諸条件を満たさないことにより正常価格と同一の市場概念の下において形成されるであろう市場価値と乖離することとなる場合における不動産の経済価値を適正に表示する価格」と不動産鑑定評価基準の中で定義されています。

①の場合は、民事再生法に基づく評価目的の下で、財産を処分するものとしての価格を求めます。

ここでは、対象不動産の種類、性格、所在地域の実情に応じ、早期の処分可能性を考慮した適正な処分価格を求めることになります。

つまり、通常の市場公開期間より短い期間で売却されることを前提とするものです。

そのため、早期売却による減価が生じないとされる特段の事情がない限り「特定価格」として求めなければなりません。

②の場合は、会社更生法又は民事再生法に基づく評価目的の下で、現状の事業が継続されるものとして当該事業の拘束下にあることを前提とする価格を求めるものです。

対象不動産の利用現況を所与とすることにより、対象不動産の最有効使用と異なることとなる場合には「特定価格」として求めなければなりません。

①の場合と②の場合とを問わず、民事再生手続においては、早期に再生したい債務者と債務免除が強いられる債権者との間の利害対立が存在します。

そして、その対立の間における調和点を探ることが求められます。

この調和点が見出されなければ、債務者は破産する他に途なくなってしまうからです。

そのため、ここでは破産の場合の清算価値を下限とし、相当の市場公開期間や最有効使用を前提とする正常価格を上限として、その間の早期処分価格や継続企業価値に基づく価格を求めることになります。

このような不動産の価値は、不動産を取り巻く金融市場や景気動向、地域の特性や将来動向、対象不動産の個性などの諸々の価格形成要因を調査し、評価する作業を通じて見えてきます。

河口不動産鑑定事務所では、正式な不動産鑑定評価書の作成・発行業務の他、簡易・低廉な価格査定書や意見書の作成・発行業務も行っております。 お気軽に無料相談やお見積りをご依頼下さい。

担保権消滅許可の申立てや異議のための財産評価の際にお役に立つことができます-民事再生手続2

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みなさん、こんにちは。熱海駅前の河口不動産鑑定事務所の不動産鑑定士の河口健です。

民事再生手続において不動産の鑑定評価が求められる一つの場面に「担保権消滅許可に係る鑑定評価」があります。

民事再生法第148条1項には、「再生手続開始の時において再生債務者の財産につき…担保権…が存する場合において、当該財産が再生債務者の事業の継続に欠くことのできないものであるときは、再生債務者等は、裁判所に対し、当該財産の価額に相当する金銭を裁判所に納付して当該財産につき存するすべての担保権を消滅させることについての許可の申立てをすることができる。」との規定があります。

再生債務者等は、担保権を消滅させるために、事業継続に不可欠な財産についてその価額相当額の金銭を裁判所に納付する必要があります。

そして、事業継続に不可欠な財産には、土地・建物という不動産が重要な地位を占めます。

だから、事業継続に不可欠な財産についてその価額相当額の金銭額を決定するためには、不動産の価値を明らかにする必要がある場合が多くなります。

ここまでは、再生債務者の立場から見たお話でした。

次に、担保権者の側からも見ていきましょう。

上記のように再生債務者が担保権消滅許可の申立てを行い、その中で示された財産の相当額の金銭額(申出額)に不満がある場合には、担保権者は、異議を述べることができます。

民事再生法第149条1項には、「担保権者は、申立書に記載された…価額(…「申出額」)について異議があるときは、…担保権の目的である財産…について価額の決定を請求することができる。」と規定されています。

そして、担保権者は、自分が相当だと考える金額を主張することになります。そして、主張を裏付ける証拠として不動産の価値を明らかにする必要が出てくるわけです。

このように再生債務者側に立ってみても、担保権者側に立ってみても、不動産の価値を明らかにする必要が出て来るわけです。

不動産の価値は、不動産を取り巻く金融市場や景気動向、地域の特性や将来動向、対象不動産の個性などの諸々の価格形成要因を調査し、評価を行う不動産鑑定士の作業を通じて見えてきます。

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民事再生手続における再生債務者の財産の評定はどのように行うのか?-民事再生手続1

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みなさん、こんにちは。熱海駅前の河口不動産鑑定事務所の不動産鑑定士の河口健です。

民事再生手続において不動産の鑑定評価が求められる一つの場面に「財産評定」があります。

「財産評定」とは、再生債務者が再生手続開始時における再生債務者に帰属する財産を評定することをいいます。この「財産評定」は民事再生法第124条1項により求められています。

民事再生法第124条1項には、「再生債務者等は、再生手続開始後…遅滞なく、再生債務者に属する一切の財産につき再生手続開始の時における価額を評定しなければならない。」と規定されています。

そして、評定の対象となる財産の中で特に不動産は他の財産よりも価格が大きいため重要な地位を占め、利害関係者に重大な影響を及ぼします。そのため、不動産を公正に評定することが求められます。

では、具体的な不動産の評定基準はどのようなものでしょうか。

具体的な不動産の評定基準は民事再生規則56条1項に原則‐例外の形式により規定されています。

具体的な不動産の評定は、原則として「財産を処分するもの」として処分価値を求めることとされています。これがなぜ原則であるのかというと、民事再生手続における財産の評定には、主として財産の清算価値を明らかにして、再生計画が再生債権者の利益に合致しているかどうかを見極める機能があるからです。

この原則に対する例外として、事業譲渡を行うケースなどの必要がある場合には「再生債務者の事業を継続するもの」として、事業継続価値を評定することができます。

不動産の価値は、不動産を取り巻く金融市場や景気動向、地域の特性や将来動向、対象不動産の個性などの諸々の価格形成要因を調査し、評価する作業を通じて見えてきます。

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土地建物を低額で譲渡した場合には贈与税がかかるのか?いくらかかるのか?-贈与税1

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みなさん、こんにちは。熱海駅前の河口不動産鑑定事務所の不動産鑑定士の河口健です。

土地や建物を適正な時価と比べて著しく低い価格で譲渡した場合には、その譲渡は「贈与」とみなされ、時価と譲渡価格の差額が贈与税の課税対象となります。

例えば、熱海市内で暮らしている川口君が、東京から熱海に引っ越して定住しようと考えている親友の中澤君に対して、時価3000万円の土地と建物を、1300万円で譲渡したケースで考えてみましょう。

このケースの場合、次の計算式より、差額1700万円が川口君から中澤君への「贈与」とみなされます。

時価3000万円 - 譲渡価格1300万円 = 1700万円

上記のケースでは、「時価」が3000万円であることがはじめから明らかになっていますが、実際には「時価」が一体いくら位なのかが明らかではないことが多いのです。

「時価」は通常の取引価額をいいますが、不動産鑑定評価によって初めて、通常の取引価格である「時価」を知ることができます。

「時価」は、不動産を取り巻く金融市場や景気動向、その時々の市場動向、その地域の特性や将来動向、対象不動産の個性などの諸々の価格形成要因を調査し、評価する作業を通じて見えてきます。

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ブログを始めました。

ブログを始めました。地域、経済、法律、鑑定評価、その他諸々について書いて行こうと思っています。「kawa-kanteiのブログ」をよろしくお願いいたします。

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不動産の売買、賃貸借、相続等のあらゆる場面で当事務所の鑑定評価がお役に立ちます

・所有不動産(土地、住宅、店舗、ビル等)の適正価格の把握
・相続対策の基礎資料としての不動産評価
・不動産売買、交換の際の適正価格の把握
・不動産賃貸借の際の適正賃料、適正地代の把握
・隣接地購入の際の適正価格の把握
・地代、家賃の増額又は減額請求の際の地代・家賃評価

中小企業設備の固定資産税が、新たな投資で3年間減免

熱海市では6月1日に開会する市議会に、「中小企業設備の固定資産税が、新たな投資で3年間減免」される条例(固定資産税特例)案が提出されます。
これは、伸び悩む中小企業の労働生産性向上を目的に、自治体の判断で固定資産税を最長3年間、2分の1から最大でゼロにできるとした国の生産性向上特別措置法に基づく中小企業支援策です。想定される設備投資は、旅館・ホテル、食品加工・製造会社の調理、搬送機器、製造装置などです。老朽化した設備の更新を含め、一定の生産性アップを実現する設備投資が条件なります。
熱海の建物は、東京とは異なり設備の更新がなかなか進まない状況が長らく続いてきましたが、本条例は、人気を回復しつつある熱海の町にヒットすると思われます。

熱海市内ではどの地域で暮らすことがお得なのか?~プライステーカー消費者の効用最大化条件①~

熱海市中心部にある職場に通勤する場合やお子様が学校に通学するときの家賃や部屋の広さと通勤・通学代の関係について考えてみたいと思います。

感覚的には、住居が職場や学校に近い熱海市の中心部にあるので、部屋が狭く家賃が高くなる傾向があります。この点はデメリットですね。でも、職場や学校から近くて便利ですし、歩いて職場や学校に行くことができるので交通費もかからずお得ですね。

これに対して、電車で数駅離れた郊外の地区で暮らしたり山間部で暮らしているために電車やバスを使って通勤・通学する方やお子様もいらっしゃいますね。この場合、職場や学校まで時間はかかるわ、交通費はかかるわで大変ですね。でも、郊外や山間部で暮らすことによって、熱海市の中心部で暮らす場合と比べてみて、家賃が安かったり、仮に市街地と同じ家賃であっても部屋が広かったり、キレイな海や山の景色を堪能できたりといった快適な生活を送ることができるメリットがありますね。

さて、皆さまはどちらの生活が好きですか?この辺りのことについて経済学を使って考えてみたいと思います。ここでは「プライステーカー消費者の効用最大化条件」というモデルを使って考えていくことになります。(次回へ続きます)